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 施主要望事項

 東日本大震災で半壊した仙台の住宅の再建の依頼でした。

 ご家族は子供さん3人とご夫婦です。二人のお子さんは独立し、下の息子さんの部屋と、上のお子さんたちが帰省した時の部屋が二つ欲しいとの事でした。更に

・地震で絶対に壊れない家が欲しい。

・居間は最低20帖欲しい。

・タンスがあるので納戸部屋がいる。

・車は3台駐車できるスペースが欲しい。

・電気代の節約の為にソーラーを使いたい。

・自然素材を使った内装にして欲しい。

 以上の条件を基に設計を開始しましたが、

 基礎への配慮

敷地は南と東に道路があり、西には団地の通路があり、3面が開放された優れた立地です。

しかし、上飯田という地名は昔田んぼであったことが明らかです。地質調査をするとやはり、地面から6mまではズブズブの田んぼの地層であることが判りました。周辺の住宅はベタ基礎で済ましている例が多いようですが、施主に説明し、地盤改良杭を施工することが望ましいと伝えました。

最近では腐食に強い改良された地盤改良木杭が兼松日産農林で環境パイル工法として発売されています。杭は1800ピッチ、140φを50本施工することにしました。

予算は100万円ほど増加しますが、地震時の安全性にはかえられません。

平面を考えるに当たり、重量バランスにより不同沈下が起きないように平面は非常に単純な正対称とし、2階部分もバランスよく左右に配置することにしました。

勿論基礎はベタ基礎です。基礎梁は最大3600以内とし、ベタ基礎の配筋はダブルとしました。

構造的安全性

土台・柱は全てヒノキの4寸角(通し柱だけではなく管柱も含む)とし、見え係の梁もヒノキを使いました。蟻害に強いのとスギに比べて強度的にも優れています。

外壁の4隅には耐力壁を配置し、耐力壁の余力は建築基準法の2倍の耐力を持たせている為に、地震による軸組の破損はありません。

単純な平面形

平面は非常に単純です。真ん中に居間を置き、左右に寝室と和室、北側は浴室、洗面所、トイレ、納戸、勝手口などが一直線に並んでいます。2階は左右に子供部屋があります。

環境配慮

5kwのソーラーパネルを設置する為に、南側全面を大屋根とし、瓦と一体型のカネカVISOLAKMEWROOGAの熱シャット工法を採用しています。屋根裏温度を12度低減することが出来ます。外壁は通気工法の塗装焼杉板と断熱サッシを使用し、更に、雨滴感知付自動開閉の電動トップライトを採用することで、1階から屋根へと自然換気により通風が可能となり、環境の負荷がかからない工法としました。空調は床下全面を空気層とする為に基礎全体を防蟻断熱材ですっぽりくるみ、窓側に吹き出し口を取ることで、床全体が床暖房となるように工夫しています。壁際に換気用の吸い込み口を取っていますが、夏は反対に壁吹き出し、床吸い込みの夏冬可逆運転が可能となっています。

深い軒の出

外観は非常にオーソドックスですが夏暑い日本の気候条件に合わせた軒の深い住宅が出来上がりました。

自然素材

内装は全て自然素材です。居間の柱梁はヒノキなどでヒノキチオールの香りがします。壁はシックイ塗、天井は杉板張りとし、床はムクのカバフローリングとしています。塗装は植物性のオイルです。全て工業製品を使用せず、環境に優しい材料のみを使用しています。

手作りの内装

   アイランドキッチンはメーカー品ではなく手作り品です。カウンタートップは黒御影飯石、シンクはステンレ

    スシンクとなっています。作り付け家具や内装扉も全て手作りです。浴室も床暖房設置の壁・床御影飯石、天

    井はヒノキの内装です。工費は既製品のユニットバスとほとんど変わらず、ヒノキチオールの香る浴室となっ

    ています。